ドキュソ兄氏の帰還をひたすら待ち続けるスレ

796 名前: ドキュソ兄@94 ◆DQN/H2Gc 投稿日: 02/09/06 21:18 ID:???
完全非エロですが、温泉旅行の話を・・。
まずは、初日の横浜から書いてみましたので、
よろしかったら読んでくださいませ。


【夏の最後の二人旅編 〜横浜デート/8.29日記】

 横浜でのデートというと、大人なデートという洒落たイメージがあるのだが、
「わあ、船が見えますよ」と、呑気に子供っぽい台詞を言う妹なので、どうも
大人なデートの雰囲気にはならない。
「あれは氷川丸っていうんだよ」と答えるが、
「あ、赤い靴の女の子です」と、もう別な物に興味が行っている。
『赤い靴、はーいてた、女の子・・・』と、妹が小さな声で童謡を口ずさむ。
ちょっと物悲しい歌だが、頭を右に左に傾けて歌う妹が可愛い。
「童謡って、暗い歌が多いよなー」
「あ、そうですね。シャボン玉の歌とかも、悲しい歌なんですよね」
「俺はアレ、大きな古時計を歌ってて泣いた記憶があるよ」
「わあ、お兄ちゃんが泣くんですかあ?」
「むかーしだよ。子供の頃ね」
 そんな雑談をしながら、手をつないで山下公園を歩いた。どうしてここが、
定番のデートスポットなのかよく分からないが、定番なのでとりあえず来てみ
ただけだった。でも、意味もなく手をつないでのんびり歩いているだけでも、
それはそれで楽しかった。


昼も少し過ぎた頃、俺と妹は中華街を歩いていた。
「わあ、お兄ちゃん。大きな龍ですよ」
「わあ、お兄ちゃん。中国のお寺ですよ」
「わあ、お兄ちゃん。あれ見てください」
 妹は見る物全てが珍しいらしく、事ある毎に“わあ、お兄ちゃん”を連発し
て、目をくりくりと動かしていた。きょろきょろと周りを見回して、いちいち
何かに感動している様子が子供みたいで可愛らしい。
「中華料理店で食べるか?それとも豚まんとかつまみ食いして歩くか?」
腹も減ってきたのでそう聞くと、妹はちょっと考えてから
「んー、食べ歩きがいいです」と答えた。
「そっか。でも、うまい店とかたくさんあるんだぞ?」
「あ、でも・・お店だと手つなげません・・」
 地元では、決して手をつないで歩いたりしない。家でもソファの横に座らず
に、横の床に座るほど遠慮をする妹だ。だから、こうして手をつないで歩ける
という事が、よほど妹にとっては特別な事に感じるのだろう。
「そっか。手をつないで歩く事、あんまりないもんな」
「はい。すごくうれしいです」と、本当にうれしそうに答える妹。
 俺は腰の裏から回すように妹の右手をとり、左腕で妹の細い肩を抱き寄せた。
「おいで。今日はずっとくっついていような」
「あ、はい。わあ、うれしいなー」と妹。
「御褒美をもらった子供みたいな顔してるよ。あはは」
「だって、今日はずっとくっついていたいって思ったたから・・」
 いちいち言う事が可愛いので、ちょっと人目が気になったけど歩きながら軽
いキスをしてしまった。遠出のデートでなければ、こんな事は出来ない。


同じ屋根の下に住む兄妹なので、会えなくて寂しい日というのは無い。連絡
もちゃんと取れる。毎日一緒に食事も出来る。お互いに自分の部屋があるので、
私生活も守られる。兄妹という生まれながらの上下関係もあるので、揉める事
がほとんどない。親父の目を盗んで、キスもセックスも出来る。こう書くと、
恋人には実に恵まれた条件下にあると思う人が多いだろう。
 しかし一歩外に出てしまうと、恋人同士らしい行為の一切合切がタブーにな
る。手をつないで歩く事や、道ばたでのキスといった些細な事が、こんなにも
新鮮に感じるとは最近まで思ってもみなかった。
「遠くまで来ると、普通のカップルと同じになれるんだな」
「はい。うれしいです」
 普段、妹と遊んでいても最近は手もつながない。ふわっと心に染み入るよう
な幸福感がある。指の一本一本をからめるだけの事に、二人で喜んだ。
「手をつないで歩くだけなにに、何か楽しいな」
「はい。うれしいです」
返事はさっきと同じだが、本当にうれしそうに笑ってくれる。そして、つない
でいる小さな手にキュッと力を入れてくる。
「でも、どこに誰がいるか分からないから、気を付けような」
「はい、わかりました」
優等生のような真面目な返事をして、キョロキョロと周りを見回しているのは、
知人が見ていないか早速確認をいるんだろう。口を真一文字に結んで、とても
真剣な面持ちなのが可愛い。
「今、すんごい真剣な顔してたよ。スパイ映画を観た後の人みたいだった」
「あ、今そんな気分でした。顔に出てましたか?」と、照れ笑いをする妹。
「うん。スパイ失格だった。見るからに怪しかったよ」
「う・・そうですか。まだまだですね」
 妹のあまり面白くないボケも、最近はチャームポイントに思えてきた。遊び
過ぎてチャラけた女のたわ言よりも、妹との会話の方がホッと出来る。
 ライト感覚なデートの新鮮さに、純愛物の漫画を読むようなこそばゆさを感
じつつ、俺は妹の手をひいて横浜中華街をのんびりと歩いた。


美容院へ一緒に行った帰りの話を思い出していた。
 都内なので、手はつないで歩いていない。時々小走りに、妹がついてくる。
 俺の元カノの話から始まって、妹の元彼の話をしていた。今までに、デート
らしいデートをしてもらえなかったと言う妹。
「用事がある時に呼ばれて、行くだけだったから」
妹は言葉を濁したけれど、たぶん“用事”というのは性欲処理かもしれない。
激しく悔しい思いと嫉妬や怒りに、胸が燃えるように熱くなった。
「でも、お兄ちゃんは色んな所へ連れてってくれます」
妹がそう言ってくれただけで、胸の中の怒りが治まった気がした。
「色んな所って言っても、たいした所じゃないけどな」
「いいんです。連れて歩いてくれるっていうのがうれしいんです」
 一緒にいてもつまらないと、よく言われてきたそうだ。確かに妹は洒落た事
が言えない面白みに欠けた女かもしれないが、ひどい言われ様だと思った。
「俺はお前の面白い所、たくさん知ってるぞ。いい所も悪い所も」
「わたし、つまらなくないですか?一緒にいて邪魔っけじゃないですか?」
「全然そんな事ないよ。お前がいなくちゃ嫌だよ」
「よかったあ。わたし、いつもこういうの自信なくって駄目です」
きっと、いつか俺にも邪魔者扱いされる日が来ると怯えていたのだと思った。
「俺がお前を連れ歩いてるのは、一緒にいると安心するからだよ。お前の事が
好きだし、色々遠回りしてやっと見つけた女だと思ってるからな?」
「ほ、本当ですかっ?すごくうれしいです!」
「嘘なんか言わないよ。嘘ついても、お前は妹なんだからバレちゃうだろ」
「だって、お兄ちゃんはそういう事を言ってくれない人だと思ってたから・・」
「あはは。そうだな、そういうキャラじゃないよな。実際、今まではあんまり
“好き”だの“愛してる”だのは言わないキャラだったから」
「あ、でもわたしには言ってくれます!」
「何でだろうな。でも、もう他の女には言わないよ。ずっと」
「わあ、うれしいなあ。わたしも、もうずっとお兄ちゃんだけです・・」
 俺はポケットから手を出して、そっと妹の手をつないだ・・。


よこはまコスモワールドへ来た。
「お兄ちゃんと遊園地に来たの、初めてですよね!」と、興奮気味な妹。
 みなとみらい21の名物観覧車があるこの遊園地は、入場無料でお手軽に遊べ
るため、横浜デートの定番スポットになっている。
「遊園地なんて、いかにもデートらしいデートだろ?」
「あ、はい。ドキドキしちゃいます」
ドキドキする胸を押さえる左手には、以前に俺があげた指輪が光っている。
「俺も遊園地のデートなんて慣れてないから、ちょっとドジっても笑うなよ」
「あ、はい。笑いません」と、真面目に答える。
「いい子だ。よしよし」
 ほんわかとしたムードになった。
 手をつないで遊園地の案内掲示板を眺め、ここへ来るまでに少し歩き疲れた
ので、かき氷を食べてひと休みする事にした。
「わたしが買ってきます」と、妹がトコトコと店に。
「んじゃ、俺がテーブルキープしとく」
パラソルがあるオープンの席が空いていたので、そこに座って妹を待った。
 たばこに火をつけて、かき氷を買っている妹を眺める。小銭入れを出して、
お金を払っていた。店員にペコペコとお辞儀をしてかき氷を受け取る妹。
(ふふっ・・可愛いな)
思わず微笑んでしまう俺。
 店から出てきて、キョロキョロと俺の姿を探す。迷子になった子供のようで、
その姿もまた可愛い。そして360度ぐるりと見回し、やっと俺を見つけた。
「ブルーハワイですよー」
ニコニコしながら、妹がかき氷をひとつだけ買って戻ってきた。
「セーフ。いちご買ってきたら殺すところだった」
「わあ、セーフですね!あぶない、あぶない」
妹は笑いながらブルーハワイをひとさじすくって、俺の口へとそれを運んだ。
いつもベランダでアイスを食べる時のまんまの光景。だけど、ここは横浜だ。
不思議な感じがした。


「早く早く!」
ジェットコースターを乗り終えた後に、自動撮影で撮られた写真がモニターで
見られる。それを見に来た。
「うーん・・・あ、ありました!」
「どれどれっ!?」
「いやーん!わたし変な顔してます・・」
「ぐおっ、俺もお前も半目じゃん!かっこわる!」
「うぅ・・」
「に、逃げよう・・ここから早く・・」
あまりにも凄い顔で写っていたので、そそくさとそこから立ち去った。
「でも、楽しかったですね!」
「おお。俺はほとんどお前を見てたけどな」
「えっ、変な顔してましたかっ!?」
「してたしてた。こんな顔だった・・」
さっき自動撮影された写真と同じ、半開きの目、あんぐり開けた口を真似た。
「うわあ・・最悪です・・・」
「ま、俺も同じような顔してたけどな・・」
「えへへ。お似合いな証拠ですよ。うれしいなあ」
「うれしいんかい!(三村風 」
そんな雑談をしながら、園内のあちこちを歩いた。夏休みも終わり近くなので、
乗り物はどれも混雑していて、あまり乗り物は楽しめなかった。その代わり、
キスしたり、抱き合ったり、変な顔をしたり、たくさんのプリクラを撮った。
「今度は友達にあげられるのも撮れましたね!」
「おうよ。思うさま配りまくりなさい」
「あ、はい。後で電車の中で分けっこしましょう」
「おう。後でな」


そうこうしている内に、時計は午後3時を過ぎていた。
「あっと言う間だったな」
「はい。すごく楽しかったです」と答えた妹の目は、とてもきらきらしていた。
(喜んでもらえたみたいだな。よかった、よかった・・)
遊園地のデートなんて不馴れな事をうまくこなせて、ホッとひと安心した。
「観覧車、また今度来て乗ろうな」
「また連れて来てくださいね」
「ああ。今度は夜に来ようぜ。観覧車からの夜景が綺麗なんだってさ」
「わあ、楽しみだなあ」
漆黒の湾内に輝くベイブリッジ、水面に浮かぶ船の灯り・・横浜の夜景を二人
でゴンドラから眺める。
(きっとロマンチックだろうな)と思った。
「絶対に来ような!」
「はい。絶対!」
楽しみを次回に残して、俺と妹はよこはまコスモワールドを後にした。妹は、
ちょっと名残惜しそうに一度だけ振り向いて観覧車を眺めた。
(また連れて来てあげよう・・)
うれしそうに目を細めて歩く妹の横顔を見て、そう心に誓った。
「あのさ、今日一日で、俺等また仲良くなったよな」
「なりました!今日はお兄ちゃん、たくさん笑ってました」
遊園地を後にする少ししんみりした気持ちを切り替えようと、俺は少し大きな
声で言った。妹も元気よく大きな声で返してくれた。
「お前もたくさん笑ってたな」
「はい。だって、楽しかったです!」
そう答える妹の頭をよしよしと撫でながら、
「よかったな」と優しく言ってあげた。
「えへへ。おにーちゃん、大好きですよぉ♪」
うれしそうに妹が笑って言った。背景の青空が、まるで妹のためにあると思え
るほど、妹の笑顔は最高だった。


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